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【読書記録2024】『ルポ トランプ王国』途中まで

アメリ
カの政治家トランプがなぜ票を獲得しているのか。ここ疑問を持った
朝日新聞
の記者が取材した記録。

 

そもそも
アメリカ大統領選挙
に関心を持ったきっかけは、タンデムの相手が話題に出してきたから。

 

私は政治も経済も全くの素人。

 

Amazon
で評価が高かったので選びました。

 

これは2017年ごろに書かれたようで前回トランプが選ばれる前のお話です。

 

取材対象は筆者の住むニューヨークから近い、そしてこれまでずっと
民主党
支持してたのに、突如トランプのいる
共和党
を支持するようになった地域。

具体的には、
オハイオ州
中心のラストベルト(錆びた一帯)、
アパラチア山脈
周辺。

 

ラストベルトはかつて製鉄で隆盛を極めたが、
NAFTA
や日本、西ドイツと貿易の強化によりさびれていった地域的な感じ。

 

これらの地域においてトランプを支持する国民が取材対象だ。

 

総じて彼らは現在の
アメリ
カ、政治、自分たちの境遇に不満を、未来に諦観を持っている。

 

かつて彼らは製鉄所でたくさん稼ぎミドルクラスとして不自由なく暮らしていた。

だが今は製鉄所も閉まり、仕事はなくなり生活も苦しくなった。

今までと同じように、いや、それ以上に働いても毎月の
ペイチェック
を払うのが精一杯だ。

 

こうなったのは、貿易を自由化し中国やメキシコの安い製品が入ってきたせい。

不法入国したメキシコ人が仕事をとっていくせい。あまつさえ、企業は人件費のやすいメキシコに移転していく。

 

こういった不満を持つ人々に、トランプの壁を作るという言葉が刺さった。

「忘れられた人々」の声に焦点を当ててくれたことが嬉しかったという。

 

多くの政治家にとって逆風となったのが、「
既得権益
」への忌避感。

ヒラリー・クリントン
をはじめ職業政治家は企業などから多額の
献金
を受けており、それらに動向を左右されてしまう。

自分に金をくれる金持ち企業どものいうことは聞くが、自分たちのような貧乏人の言うことは聞かないし興味もない。彼らのようなエリートには俺たち庶民の気持ちなんざわかるわけがねぇ、というわけだ。

 

しかし、トランプは自費なのでその心配がない。バカなことをいうが、率直にものをいう。彼のようなものでない限り今の
アメリ
カを変えられないとインタビュイーは言う。

 


アメリ
カを再び偉大に」というスローガンもかつてのミドルクラスたちにモロに刺さった。

トランプは製鉄を再び取り上げるとも言っていたそうだ。(ただし、具体的に何をどうやって実現するのかは語らない)

 

感想

アメリ
カといえば裕福な国という印象は強い。格差も大きいということは聞いていたが、
貧困層
の情報に触れる機会はあまりなかった。

彼らがかつて栄光の中にいて今どれだけ惨めな生活をしているかという声にたくさん触れた。

これは現在の日本にも当てはまる。現に私の親はミドルクラスだが、私は間違いなくそこには分類されない。能力のないものにとって未来の見通しは暗い。

かつての
アメリ
カにあったという製鉄所のような誰もが真面目に働けば一家を養って家を買えるというようなものはない。

 

そんな中自分たちの不満を拾い上げてくれた存在がトランプというわけだ。

なぜ彼が選ばれたのか、その理由の一端に触れたと思う。

ただ
自由貿易
や移民がなければ
アメリ
カは偉大なままだったかという点は私には不明だ。

著者も指摘しているようにラストベルトの者は、自分たちの家に溢れている製品が海外製でありその低価格の恩恵を把握していないように感じた。

鎖国
して材料費が高騰して物価が上がる可能性についてもさもありなんと思った。

統計などの裏付けを取るほど興味はない。

タンデムの話のタネにはなりそうだ。よかった。

 

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